フランスを知るには地方に行けと言ったのは誰であったか、ペリゴール地方のロット川流域は古代から人が住みつき、中世以降集落が増えた。
ロット川上流のサン・シルク・ラポピーもそんな村のひとつで、16世紀建造の教会、レンガ造りの民家の多くがロット川峡谷に佇んでいる。
 
ロット川は石灰岩高地を切り裂くように蛇行しながら流れている。川沿いに点在する民家と木々の葉に夕日の映える美しさは格別である。
ほとんど全員が知り合いといってもいい人口190人ほどの小さな村。ロット県の珠玉。
サン・シルク・ラポピー全景
これですべてといっても差し支えないような村の規模。小さいがゆえに1日の滞在でも親近感がわく。2日以上滞在すればなおさら。
よく知るということが旅を豊かにする。
サン・シルク・ラポピー全景
サン・シルク(St Cirq)の歴史は7世紀のガロ・ローマン期にさかのぼり、この辺りはカオールの司教が管轄していた。
 
ラポピ(La Popie)はラポピ一族が執行官として13世紀まで実効支配していたが、英国との百年戦争を機に城砦が築かれ、
その後1522ー1540年にロマネスク様式の教会(画像右上)が建てられた。民家と主要な道は15ー16世紀にかけて造られた。
教会建築に関していえば、ゴシック様式が下火となり、ルネサンス様式が主流となっていた16世紀にあって、
ロマネスク様式を選んだことがサン・シルク・ラポピーをして中世の名残をとどめる一助となった。
旅人を癒やせるものがあるとしたら、古くから在るものだろう。
サン・シルク・ラポピー村
数時間歩くとほぼ全容をつかめる。それが安寧につながる。
サン・シルク・ラポピー村
旅行者
ガイドブック片手に散策中。
旅行者
ロット川
サン・シルク・ラポピーに潤いを与え、旅行者を癒やすロット川
ロット川
ロット川
ロット川
ところどころひしゃげて、いまにもずり落ちそうな瓦屋根。
民家
民家
民家
ルネサンス期の家や道は1950年代から徐々に復元されはじめた
民家
サン・シルク・ラポピー散策
民家の木組み、意匠も家それぞれ。
サン・シルク・ラポピー散策
散策
散策
いつごろから使われているか判然としない金具
おもしろそうな牛の造形物。結局、何かわからずじまい。
旅行者ではなく地元住民
散策
散策
散策
カサがペア。
散策
タチアオイ
大きなタチアオイの花の下に小さなテントウムシ
タチアオイ
散策
サン・シルク・ラポピーが断崖・急斜面にあるので急坂の多いこと。
散策
展望台
ここまで登れば上は空だけ。通常の取材旅行では急坂を上ってこのあたりまで来ません。ガイドブックにほとんど紹介されない風景。
展望台
石造りの家とはいっても骨組みは木、それも見事に太い梁。
ライトアップ
ライトアップ
朝の光
朝の光
グルマン・マークの付いた小さなレストラン。営業期間は4月〜11月半ば
レストラン外のテラスで旅人が読書。
散策
散策
散策
散策
夏の花タチアオイ
散策
ガイドブック片手に
散策
晩夏のサン・シルク・ラポピーはひととおりの混雑が遠のき、とはいっても全く混雑しないわけでもなく、秋を待っている。