イングランド南東部ケント州はロンドンに近いこともあって、気軽な日帰り散策にうってつけ。ケント州を「イングランドの庭園」と呼ぶガイドブックは多く、
そいいう一面も持つが、農業、羊毛のほかに製鉄、セメントなど工業も盛ん。州都メイドストーン(人口約9万人)には美しいと定評のリーズ城もある。
ここではケントの春夏秋(夏と秋は2014年)を紹介します。
ショーン・ウッド
ショーン・ウッド
 
ロチェスター北西部のショーン・ウッド(Shorne Woods)カントリーパークの総面積は300エーカー(約36万7千坪)。
これはと思うフットパスがそこかしこにあり、予定時間に合わせて存分にウォーキングを楽しめる。
 
Sign Post
Sign Post
 
特段こういうものを目で追ったり、探しているわけのものではないけれど、なぜか気になる道しるべ。
 
Sign Post
Sign Post
 
道しるべ(Sign Post)はかつてここを旅人が通っていったことの名残。
いまももちろん生きています。
 
ブルーベル
ブルーベル
 
ショーン・ウッドの森には四季さまざまな花が咲き、ハイキング気分を高める。ブルーベルはその名の通りの花。
 
なんだこりゃ
なんだこりゃ
 
森を散策していると奇妙な光景に出くわすこともある。自転車をこいでいるのは男。
 
 
時代がかった民家。ポストの赤があざやか。
 
 
昔々「黒いチューリップ」というフランス映画がありました。A・ドロンの切ない目が記憶に残っています。
 
「黒いチューリップ」の原作はアレクサンドル・デュマ(大デュマ=1850年の小説)。
17世紀オランダのチューリップ栽培をめぐって実際におきた事件をもとに、黒いチューリップの品種改良と陰謀がテーマ。
 
黄色い世界
黄色い世界
 
 
シシングハースト・カースル・ガーデン
シシングハースト・カースル・ガーデン
 
英国ではCastleをキャッスルではなくカースルと発音する。
ケント州を旅する機会があれば、一度は訪れたい場所。
 
シシングハースト・カースル・ガーデン
シシングハースト・カースル・ガーデン
 
シシングハースト・カースル・ガーデンはイングランドで最も有名な庭園。
特にホワイト・ガーデンの名は庭園愛好家に浸透している。
 
シシングハースト・カースル・ガーデン
シシングハースト・カースル・ガーデン
シシングハースト・カースル・ガーデン
シシングハースト・カースル・ガーデン
シシングハースト・カースル・ガーデン
シシングハースト・カースル・ガーデン
 
シシングハースト・カースル・ガーデンの詳細は下記の「シシングハースト」からリンクしています。
 
カントリーサイド
カントリーサイド
 
シシングハースト・カースルからの眺望。
 
チェッカーズ・イン
チェッカーズ・イン
 
ケント州にチェッカーズと名のつくB&B兼パブは8軒ある。
ここはメイドストーンの西24キロ、ヒーバーハム村のチェッカーズ・イン。
 
静けさのもどった海辺
静けさのもどった海辺
 
ケントの東海岸は遠浅なこともあって紀元前55年、カエサルとローマ軍が上陸する。
 
語らいの椅子
語らいの椅子
 
すこし疲れて休む。10分か15分もすれば元気になる。何も話さなくても通じるものがある。
語らいの椅子は黙っていても心が通い合う椅子である。ただ座っているだけでいい。
 
海の向こうで何が起きていても、穏やかな気持ちで海をながめていると何事もなかったと思える。
そんな椅子があれば毎日座りにいきたい。
 
シェイクスピア・クリフ
シェイクスピア・クリフ
 
ドーバ海峡で知られるドーバーの西側にシェイクスピア・クリフと呼ばれる白亜の断崖がある。高さ115メートル。
「リア王」第四幕第六場の舞台はこの断崖なのだ。
 
海風によって痛めつけられている崖の上に細い小道が走っている。
その昔、海峡を行き来する船や密航者を高台から偵察する役人のために設けられた道だろうか。
 
シェイクスピア・クリフ
シェイクスピア・クリフ
 
断崖は単純ではない。切り立って直線的なところ、のこぎり状の部分、えぐられたかのような複数の小さな穴。
葉っぱの支脈を想起させる鋭い岩。白っぽい砂浜に打ち寄せる波が絶壁にしみ込んでくる。
 
 
チャートウェル Chartwell
 チャートウェル Chartwell
 
ウェスターハム(Westerham)の西3キロほどに位置するチャートウェル・カントリーハウス。
壮年期の一時期W・チャーチルがここを購入し暮らしていた。
 
チャートウェル
チャートウェル
 
チャートウェルは1946年ナショナルトラストに寄贈され、チャーチル逝去(1965)の1年後、一般公開された。
 
ラベンダー
ラベンダー
The Jackdaw Pub
The Jackdaw Pub
 
ジャックドー・パブはカンタベリーとドーバーの中間のデントン村にあり、おおむね午前11時〜午後11時の営業。
金土は午前0時まで。
メニューはサンドイッチ6ポンド50から。ディナーのメイン料理10〜15ポンドまで品数豊富。味はまずまず。
 
1742年創業の「レッドライオン」が1963年に現在の「The Jackdaw」に名称変更された。
 
語らいの裏庭
語らいの裏庭
 
この場所、英国のテレビドラマに時々使われる。
Canterbury オールド・ウィバーズ・ハウス
Canterbury オールド・ウィバーズ・ハウス
 
カンタベリー大聖堂でその名を知られているカンタベリー。オールド・ウィバーズ・ハウスは1500年に建てられた。
サラダ料理、カレーなどメニューの品数多し。窓側のテーブルからストゥール川のボート遊びが見渡せる。
小生は、このあたりをボート横町と呼んでいる。
 
ストゥール川
ストゥール川
 
ボート遊びの終わったストゥール川。川遊びする人たちが視界に入るといかにも観光地の感があるが、ボートが所在なげに
停泊するようすは風情があって思わず立ち止まってしまう。
 
 
カンタベリーのインフォメーション
カンタベリーのインフォメーション
カンタベリー大聖堂
カンタベリー大聖堂
 
カンタベリーはケント州で二番目の人口4万1千を保持。トップは州都メイドストーンの約9万人。
この町が有名になったのは、597年、聖アウグスティヌスがキリスト教布教のためイングランドに来て、
カンタベリーに修道院を建て自ら司教をつとめたことによる。
 
その後、ヘンリー2世と対立したカンタベリー大司教トマス・ベケット(1118−1170)の暗殺やら
「カンタベリー物語」を著したJ・チョーサーの登場もあって、カンタベリーの名は世に広く知られることとなる。
 
L・C・カザミミヤンは著書「大英国 歴史と風景」に次のように記している
 
【ロンドンからカンタベリーに向かって、巡礼者たちの一団が馬を進めて行く。道中の徒然を慰めるために、一人一人が
順ぐりに一つの物語をする。まず最初に旅の一行がわれわれに紹介され、それらの肖像は驚嘆すべきほどの
個々の正確さと、研ぎ澄まされた繊細さと、各々の職種特有の真実性とを備えている。
 
鋭い、しかも柔軟な観察、控えめな陽気さ、すなわちその顔つきは真面目くさっているのにその言葉が笑っているような
陽気さが、虚偽もなく幻想もなく、現実の上にぴりっとした風味をくまなく利かせている。】
 
キングス・ギャラリー
キングス・ギャラリー
 
カンタベリーのキングス・ギャラリー。この日は休業日。
主に絵画の販売をしている。ドアの色はその時々によって緑、赤というぐあいに塗り替えられるらしい。
 
カンタベリーの晩夏、日曜の夕方、カンタベリー大聖堂で歌われる賛美歌の清らかさとハーモニーは
堂内側廊の奥深い暗闇のなかに尾をひいて響きわたる。賛美歌のたえなる声を聴くのもいいけれど、
通りや路地にまぎれて通りすがりの人々を観察するのもまた楽しい。
 
リーズ城
リーズ城
 
リーズ城の歴史は857年に周辺を統治していたサクソン人の王エセルバート4世の重臣レッド(Led)が築いた要塞に
始まるという。リーズ城の名の由来もそこにある。
リーズ城
リーズ城
 
12世紀来、エドワード1世、エドワード3世、リチャード2世、ヘンリー8世らのイングランド王はリーズ城を居城とした。
1552年、リーズ城は王家のもとを離れ、アンソニー・セント・リーガー卿に付与され、その後もスマイズ家カルペパー家、
フェアファックス家、マーチン家などを転々とし、英国系米国人ベイリー夫人が1926年に売りに出された城を入手、
30年の歳月を費やし荒廃したリーズ城の修復に力を尽くした。
 
第二次大戦のさなか、ベイリー夫人の意向でリーズ城は軍病院や療養所として使われたという。時代と設定は異なるが、
英国ドラマ「ダウントン・アビー」を想起させる話である。
 
リーズ城
リーズ城
 
2014年8月23日〜31日、リーズ城では「メディイーバル・フェスティバル」と銘打って中世の衣装・武具を身につけた騎士が
戦闘シーンをくりひろげた。
 
 
特に8月30日と31日は午後3時からグランド・トーナメントという呼び物があるが、入場料は通常と同じ24ポンド。
オンライン予約を利用すれば10%OFF。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
秋の気配
秋の気配
ゴッドマーシャム  Godmersham Park
ゴッドマーシャム  Godmersham Park
 
ゴッドマーシャム村はカンタベリーの中心地から南西へ、またはアシュフォードの北東へ12キロ地点にある(ほぼ等距離)。
ゴッドマーシャム・パーク一帯の敷地、家屋は18ー19世紀にジェーン・オースティンの兄が所有していた。
 
画像はゴッドマーシャム・パークのヘリテージセンター(Heritage Centre)の一部。1732年に建てられた。
ジェーン・オースティンの従兄の日記、バイキング時代の古いコインや美術品を展示。一般公開は2008年から。
 
リーズ城の秋
リーズ城の秋
 
リーズ城の池沿いのボートハウス。
 
リーズ城の秋
リーズ城の秋